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『人は背景にどんな情報があるのかを知るとより一層の楽しみを感じるものだ。語られていない物語があるのなら、是非語ろう』
太鼓引きの手伝いが終わった後、近くでも神輿をやっているよ。と参加している知人が声をかけてくれた。
私はそのままそちらにも足を運ぶことにした。
そこで私は二つの教訓を得ることが出来た。
今日と明日に分けて話していこう。
今日はその一つ。
知人の元へ足を運ぶと知人は友人と共に行動をしていた。
その友人はかれこれ20年近く神輿に参加している大ベテラン。私は行動を共にし、神輿についてあれこれと質問を浴びせた。
「今日は何時から担いでいたのですか?」
「ここのお神輿は大きいですね。先ほど手伝ったところのお神輿は小さかったです」
「この季節は毎週どこかで担いでいるのですか?」
「はっぴに会の名前が書いてありますね。他とは違うのですか?」
「他の会とは交流はあるものなのですか?」
時に知人と友人が神輿を担いでいたので、こうも聞いた。
「いやー。重そうですね。どれくらいの重さがあるのでしょう?」
「やっぱ前に出て担ぐのが楽しそうですね」
などなど。
神輿が地域を回る間、私はひたすら質問をし続けた。
友人は私がひたすら質問をしているのにもかかわらず、嫌な顔ひとつ見せず、質問に答えてくれた。
質問をしているうち、度々話が横道にそれることがあった。
しかし、ここで貴重な教訓を学べたのである。
どうそれていったかは思い出せないが、話題が神輿の歴史へと移り変わっていった。
「神輿は会によってルールが異なるんです。例えばうちでは神輿の上に人は乗ってはいけないと言うルールがあるのですが、他ではありのところもあるんです」
「どうして乗ってはいけないのですか?」
「神輿は神がいるところだからです。人間が神と同列でいるなどあってはならない愚行なんですよ。
だから、厳しいところではふんどしもダメにしているところもあるんです。神を前にしてケツなんて出すんじゃねぇって」
「あー、なるほど。あれは神様がいるところなのですね」
「そうなのです。元々は神というものは山の上に祀られる存在でした。昔の人々はわざわざ山に登って、お参りをしていたのです。
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しかし、それでは足の不自由な人やご年配の方が大変だろうということで、山の下に神社が出来るようになりました。
ですが、それでも足を運べない人がいる。ならば、神輿を担いで神を皆で運んで地域を回ろうという試みで出来たのが、始まりだったそうです」
「なるほどー。神輿ってそういう意味だったのですね。知りませんでした」
「今の若い子もそんなことは知りませんよ」
友人は笑って言った。
「昔は神輿を担いでて、喧嘩になることが多かったんです。皆、いいポジションを取って担ぎたいと言う気持ちが強いですから。
でも、本来はそういう意味ではないのですよ。主役は自分たちではなく、地域の皆さんですからね。
こうやって意味を考えていくと奥が深くて面白いんですよ。
例えば、この神輿にいる神は○○で□□の弟。隣の会はその両親という具合になっているんです」
「へぇ、関連性があって面白いですね」
「そうなんです。神輿の装飾にも意味があって、なぜ鳳凰が装飾についているのかというのも神様と関連があるのですよ。
そうやって遡っていくと天皇との関連も見えてきて、普段何をしているのかなんてところまでつながりが見えてくるんです。
こうやって一つ一つ掘り下げていくとすごく奥が深くて面白いなーと思います」
「面白いです。それは是非若い子たちにも知っておいてもらいたいですね。知ったらますます面白さを感じますよね」
この話を通じて、私は貴重な教訓を学んだ。
それはただ参加するだけではなく、その背景にどのような情報があるのかを知れば、そのことについてより一層面白みを増すということだ。
全てのものには意味がある。
その意味を探っていくことは楽しいことなのだなと私は知人の友人から学ぶことができた。
あなたは一体どんなことを学んだだろうか?
本日の教訓
■つながりや背景を知ろう
同じ物事でも背景にどんなことがあるのかを知れば、より一層の楽しみを覚えることができる。
これを活用しよう。
もちろん、語り手として利用することも可能だ。
その際には、説教臭くならないよう注意すること(笑)
うまく伝えればより一層のやる気を引き出せるかもしれない。