1. 心の在り方
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自分の外の世界を見ると視野が広がる

結婚八年目、 高学歴の夫、今年四歳になる子供。恵まれていてとても幸せな家族。周りからはそう見えるのだろう。立石 來未(たついし くみ)もすごく幸せだった。あの時までは。

來未が夫・弥(ひさし)と出会ったのは十年前、優しい人柄にすっかり魅了され、彼女はすぐに恋に落ちた。結婚してからもその優しさは変わることなく來未を暖かく包んだ。

長らく二人だけの生活を楽しんでいた結婚四年目の夏、來未は夢を叶えることができた。愛する我が子を出産したのだ。親バカに聞こえるかも知れないけど、うちの子は本当に可愛い。と來未は言っていた。

初めての出産だったこともあり、弥は來未に専業主婦をすることを許した。大変だったけど、とても充実した三年半。わからないことの方が圧倒的に多かった。しかし、來未は全部一人でやってのけた。

初めての子供だったから。と家で大切に育ててきたが、來未はそろそろ子供の社会勉強が必要だと考えた。それに來未も働きたいと思うようになり、四月から子供を保育園に預けることになった。保育園も無事に決まり、來未の仕事先も決まった。これからは今までの生活とガラリと変わる。

だが、慣らし保育の段階で問題が発生した。保育園で出される食事を娘が全く食べないというのだ。家では好きなものばかり食べさせていませんか?お菓子やジュースでお腹がいっぱいになっていませんか?來未は先生から食生活を改善するようにというアドバイスを受ける。

來未は一念発起して一切お菓子を与えないことを決意。当然娘は反発した。イヤだー!荒れ狂う娘。弥は娘の味方をする。弥は娘があまりにもかわいそうじゃないか。

そう言って娘にお菓子をあげ、こっちにおいでと甘やかし続ける。子供がこんなに辛そうにしているのだから、子供のことを優先させなさいと言うのだ。弥は全く助ける気がない。困り果てた來未は大親友で三児の母でもある佐藤 春華(さとう はるか)に連絡を入れた。

娘を夫に預けておいては甘やかし放題になってしまうので、仕方なく來未は娘を連れて一緒に春華の元へ向かった。その道中も娘はお菓子を食べたいと駄々をこねる。

いつもならここでお菓子をあげる來未だが、日頃のストレスも相まって「ダメなものはダメだって言っているでしょ!」娘を怒鳴りつけてしまう。

到着した頃には体力をほとんど使い果たしてしまったのではないかと思うほどだった。帰りの事を思うと気が重い。今はそんな事を考えている場合じゃない。せっかく春華に会いにきたのだから、話を聞かないと。

だが、今まで我慢してきた娘を見るととてもじゃないが、我慢できそうにもない。案の定、店につき春華と話し始めるなり、娘は騒ぎ出した。

この際だから仕方がないとジュースを一つあげたが、とても満足していないようだった。コップをガンガン叩き、もっとくれとせがんでいる。「ダメだって言ってるでしょ!もう全く言う事を聞かないのよ」困り果てる來未。春華は黙って聞いているだけだった。

ようやく本題に入りはじめたころ、ついに娘の我慢が頂点に達した。

「もうやだ!なんでくれないの!!パパの方がいい。パパの方が優しいもん。ママなんて嫌い!大嫌い!!!もう帰りたい!」

大切に育ててきた娘に今まで言われたことのない言葉を言われ、來未は言葉を失った。
未だかつてこれほどのショックを味わったことはない。
來未はショックのあまりその場で泣きそうになってしまった。

そんな來未をよそに春華が口を開いた。
「じゃあ、大人のお話は終わりにしておばちゃんと遊ぼうか」
「いやだよ、私はお菓子が食べたいの!」
「あれ?なんだこれー?」
「えっ?何?」
「なんだろうねー?これはみーちゃんが好きなあれかもしれないなー」
「えー!なになに?私が好きなのっておめかし道具?」
「みーちゃんはおめかしが好きなんだ!他にはどんなものが好きなの?」
「あとはねー、おままごとが好きなんだよ!おうちにパンダのパンちゃんがいるの!ほかにもね、トラのトラちゃんっていうのはね…」

それから二人は三十分以上語り続け、娘も満足げになっていた。もうお菓子のことはすっかりと忘れたようだ。來未はこのことに驚いた。

「春華すごいね!やっぱり三児の母なだけはある!」
「やめてよ。そんなもんじゃないわ」
「でも、さすがよ。あんなにいとも簡単に丸め込むなんてすごいわ。一体何をやったの?」
「みーちゃんの好きなものに関心を寄せて、気をそらしたのよ」
「よくそんな事を思い付くわね。やっぱり経験の差なのかしら。でも、とてもじゃないけど私あなたみたいになれなかったと思う。だからあなたはやっぱりすごいわ」
「私だって初めての子が小さい時は來未と同じだったわ。やっぱり初めての子で甘やかして育てて、保育園に連れて行って同じ事を言われたの。それでね、同じように苦しんでいた」
「でも、克服したのだからすごいわ!」
「いや、それがそうじゃないの。私だって自分一人の力で解決できたわけじゃないのよ」
「そうなの?じゃあ、協力的な旦那さんなんだね?」
「それも違うの。夫も來未の旦那さん同様、甘やかし放題だったのよ」

「えっ?じゃあ誰の力を借りたの?」
來未は不思議そうに聞いた。

「私もそのころすごく悩んでいて、子供に激しく当たっていた。さっきの來未と同じようにね。そんな自分に嫌気がさしていたわ。本なんてそれまで読んだことなかったけど、本当に辛かったのね。育児に関する本を片っ端から読み漁ったの。そんなにすぐ効果は出なかったけど。

読み漁っていくうちに好きな著者が出てきて、気がつけばその人の本をたくさん読むようになっていたわ。それでね、興味本位にその人の名前をネットで検索してみたの。

そしたらね、その人オンラインサロンっていうのをやっていて…自分を変えるために思い切って入会してみたの」

「そうだったんだ。春香が悩んでいたなんてちっとも知らなかった」

「うん、私は結婚も出産も早くて周りに誰も相談できる人がいなかったから」
春香は話を続けた。

「それでね、サロンを覗いてみたら似たような人がたくさんいて、お互いにたくさん意見交換していたの。私もすぐ意気投合しちゃってさ。そこで私も勇気を振り絞って悩みを打ち明けてみたの。そしたら、みんなからいろんな意見をもらえてね。だから、さっきのは単なる意見の受け売り。

私一人の力じゃ到底難しかったわ。

この時、自分の世界を超えて大勢の人の意見を聞くって大事なんだって悟ったわ。それもそうよね。だってこれだけ多くの人がいるのだもの。私の悩みなんてきっと何処かで誰かが経験しているはずよ。だからそれからは自分一人で悩むのではなくて、打ち明けたり外の世界に飛び出すことにしているわ。

ちっぽけな悩みだからと抱え込まないで、自分の世界を飛び出して意見を聞いてみるのも手ね」

世界は広いことを知ろう。いつものコミュニティだけが全てではない。視野を広くすれば見えてくることも多い。もっと外の世界を知れば自分と同じ悩みを持っている人がいる。また解決策を持っている人が見つかる。自分一人で抱え込まず、まずはいろんな人に触れ合って考えや意見を聞いてみることは悩みをなくす上でとても重要だ。

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