サンプル『ストーリーLP作成』事例1 誰かの体験談

薄暗い部屋。パソコンから発せられる光だけが、ぼんやりとあたりを照らす。画面にはいくつもの数字が並び、行を重ねるごとにその数字が小さくなっていく。画面をスクロールし、一番下の行にたどり着いたところで、手が止まる。ちょうど数字が7桁から6桁へ変わり始めていた。

マウスから手を離し、両手で鼻と口を覆う。しばらくの間、ずっとそうしていた。そのままうつむき、今度は頭を抱え込む。画面から映し出される時計には1:00との表示があったが、目は冴えている。

一度は床に就こうと横になるも、目を瞑ると現実で巻き起こりそうな問題が次々と押し寄せてくる。貯金がみるみるうちに減っていくこと、底をついてしまうこと、仕事がもらえなくなること……とても寝れそうにはなかった。

一体何処が悪いのだろうか。
何をしていけば良いのだ!

加藤 大地は気を紛らわせるために文章を打ち続けた。自身でブログを書き始めたのはちょうど2年前。14年間勤めていた会社を退職し、フリーライターとしての道を歩みはじめた。

文章力には自信があった。この道で生きていこうと決意していた。自分では売れる自覚もあった。しかし、現実は理想とは程遠い。

フリーとして仕事が舞い込んでくるものかと思っていたが、自分からお願いして企業に外注してもらうしか仕事はない。与えられる仕事の単価は低く、とても気乗りしない仕事ばかりだ。

ブログを書き始めるとアクセス数はすぐに増えたが、かといって、SNS・ブログから依頼が入るわけでもない。
無名の個人がそれらをやったって全く反応ない。

そう気がついたのは、必死になって毎日時間を削って、やり続けてから1年が経過した頃だった。今では、特にSNSの更新頻度が少なくなり、それよりも企業に出向いて数をこなすことを優先させている。単価は低くても、今はこの道しか残されていないのである。

翌朝、加藤は打ち合わせ、クライアントの元へ向かう。その途中、新規出店したという美容室からティッシュを受け取った。挟まっていたチラシには『髪型もファッションの一部!』というキャッチコピーと共に、説明が書いてあった。

「トータルコーディネートが必要?全く今はそれどころじゃないって」
加藤はポケットにティッシュを入れこみ、会社へと向かった。
クライアント先に到着し、担当と会うと彼は挨拶がてら、こう聞いた。

「調子はどうですか?売れてます?」

「あはは、最近赤字続きでちょっと厳しくなってきてます」
加藤は笑ってごまかす。

「加藤さんの記事、よく読まれていますけどね。うちとしては大助かりですけど」
「御社は人気がありますから。情報を真似して、プロフィールやサービス紹介、価格表、実績表を作っているんですけどね。カテゴリーも作って。でも、なかなか…」
加藤は頭を掻いて、うつむく。

「ブログ頑張られていますもんね。まだ認知されていないのでしょうか?うちとしても加藤さんに頑張ってもらわないと困るので、お願いしますよ」
担当は微笑み、原稿に目を通す。

「良いですね。では、今週はこれでお願いします」
「あの!あの!!もっと単価を上げてもらうことって出来ませんでしょうか?」
加藤は切り出した。

「…別にこちらとしては加藤さんでなくても良いのでね」
「あっ…すみません!!ではあの…もっと仕事ください!」
「これと言ってないんですけどね…。これよりも単価低くても良いなら、こういうのありますけど」
「なんでも良いです!とにかくください!!」
勢いに任せたまま仕事をくださいと言ったが、新たに与えられた仕事はこれまで以上に書く意欲を削ぐ内容で、それに加えてさらに単価が低いこともあって、どんよりとした。

重苦しい雰囲気のまま、加藤はカフェへ向かう。
一刻も早く終わらせて回転率を上げること。当面の目標はこれに絞られる。

しかし、この日立ち寄ったカフェは加藤の今後を激変させた。
カフェは賑わい、嫌が応にも集中力がかき消されていた。特に隣で話しているものたちの会話が容赦なく耳に入る。
うるさいなと思い、イヤホンを当てようとしたところで加藤はある話に耳を奪われた。

「なあ、君マーケティング勉強してるんだろ?これ良さそうじゃないか?安いし」
男は別の男にPCの画面を見せる。
「いや、これ怪しいじゃないですか」
「まあ確かに」
男たちは笑った。そして、怪しいといった男がこう話しだした。

「プロフィールも書いてないですし、商品の詳しい説明もないですし。いや、あるのかもしれないけど、トップ画面で一覧出来なきゃどこにあるかなんてわかりませんよ」
「やたらサービスだけは安売りで載ってるがな」
「価格だけ見て購入は出来ないですね」
この話を聞いて加藤は慌ててイヤホンを置き、自分のブログを読み返し、先のクライアント企業のホームページを確認した。
加藤は確信を得るようにポケットからティッシュを取り出し、チラシを見る。
一度うなづくと猛烈なスピードでもらった仕事に取り掛かった。

次の日からライターの仕事を片付ける傍、調べ物をし念入りに調べた上で、勇気を振り絞ってある依頼をかけた。
それから数ヶ月が経ったある日、加藤は久しぶりにクライアント先へと出向いた。

担当は加藤と会うなり、「最近、納品少ないですね」と言った。
加藤は胸を張って、「調子良いんです。今日の納品で一度区切りをつけさせてください」と言った。
担当は驚き、「何があったんです?」と聞き返した。
加藤はニッコリと笑みを浮かべ、「お客様から選んでもらえるようになったんですよ」と返した。
またも驚いた担当は、「それはすごいですね!ついにブログが花咲きましたか」と言った。

すると、加藤はこう答えた。
「いえ、違うんです。やっとわかったんですよ。トータルコーディネートの意味が。
ひとつひとつ持ってますよってバラバラに見せるのではなくて、トータルで見せてあげる必要があったんです」
加藤は自宅に帰ると早速パソコンを立ち上げ、確認するようにサイトを開いた。

「自分でも他の人を選ぶときにやってたことを、なんで今まで気がつかなかったんだろう」
加藤はプロフィール、サービス説明、お客様の声、価格表、お問い合わせをひとつずつ押して最後に購入フォームを確認した。

画面には『ライティング加藤.com』というおしゃれで目を引くデザインが表示されている。
加藤は今、自分に何が欠けていたのかを完璧に把握した。
この教訓を元に加藤は同じフリーランス仲間に会うたび、この話をしている。

「私は文章が書ければ良いのだとばかり思っていました。ですが、それだけじゃなく、整理された状態で見せてあげる必要があることにようやく気がついたのです。もっと早くからやるべきでした」
綺麗に整理されたホームページは、加藤が寝ている間も24時間とても優秀に働き続けている。

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更新日:

執筆者:作田勇次

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