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『戦略はいつでも見破られていいように2重3重にかけておくのだよ。それが勝つ秘訣というものだ』
とある休日、夢幻と博識は久しぶりに一緒にゲームをして遊ぶことになった。
「博識、久しぶり!
…どうでしょうか?早速ですが、あっしと一戦交えてはいただけないでしょうか?」
シュッシュッと剣を振り回す動作をしている。
「奇遇ですな、夢幻丸殿。私もちょうど同じことを思っていたところなのですよ。いっちょやりますか」
ブンブン。博識も剣を振り回す動作をした。
「げへへ、そうこなくっちゃ。博識殿と随分会ってない間、あっしもかなり鍛えやしたからね。負けやせんぜ」
「望むところでござる。どれほど成長したのか、手合わせ願おう。では、いざ尋常に勝負!」
ショートコントを繰り広げたのち、夢幻と博識は対人戦バトルを開始した。
先手を取ったのは博識だった。
博識が仕掛ける。
しかし、待ってましたと言わんばかりに夢幻が捌く。
「その戦法は知っていますぜ。博識殿」
「…」
特に気にする様子もなく、次の手につなげる。
「おっと、そう来るのも周知のとおり。かわし方はわかっておりますぜ。残念でしたな、博識殿。ここから反撃させてもらいますぜ」
と、夢幻が次の攻撃に移ろうとした瞬間、博識のさらなる攻撃が猛烈な勢いで夢幻を襲った。
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってよ!!
そんな攻撃は知らないーーーー。わわわわわわ。
やられるーーー」
結局、夢幻はなんの手出しもできないまま、バトルが終了した。
「負けた。防ぎきったと思ったのに」
夢幻は口をあんぐりと開け呆然としている。
「ふふふ、惜しかったな夢幻。だが、お前に策を読まれるのは、前提の上なのだよ。
真の戦略家は策が破られることを想定して、読み手の上の上をゆく。もちろん、破られなくとも、倒すことはできるがな。
読まれようが読まれまいが、何重にも策を重ねておく。これが真の戦略家というものだよ」
勝った博識が饒舌に語っている。
「むむむー。あそこからまだつながるとは思っていなかったよ。まさか最初の2撃がおとりだったんて」
「真の戦略家は切り札を最後の最後まで明かさないものなのだよ」
「むー。よし、もう一回やろう!」
「何度やっても結果は同じだろうがな。ガハハ、かかってきたまえ!」
「調子に乗るなよ、博識!いざ再戦!」
本日の教訓
■戦略は見破られることを念頭に何重にも策を講じておこう。
一つ一つ戦略が論破されてから策を練るようでは、対応が遅れ後手に回ってしまう。
この戦略の次にはこちらの手で追随していこう。と、あらかじめ策を練っていれば、常に先手を取ることができる。
思惑どおりに進まないのが普通だが、それでもあらかじめ策を講じておけば役に立つ。
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