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『○○放題とは存在しない市場に生命を与えるようなものだ。普段は絶対に手にしない層に訴えかけることが出来るからである』
今巷で話題を博しているサービスがある。
「Kindle Unlimited」だ。
30日間は無料で読むことができ、その後は月額980円で12万冊ある本が読み放題という驚きのサービスだ。
早くもあちこちで賛否が巻き起こっている。
特に目に入ったのが「出版業界の破壊」という内容だ。
著者からしたらタダ同然で読み漁られ、収入がなくなることは耐え難いことなのだろう。
事実、そのような悲痛とも呼べる内容を目にした。
このようなことをされては物が売れなくなって困る。というわけだ。
だが、私はここに疑問を持った。
果たして本当にそうなのだろうか?
出版もしたことのない素人目線でものを言うのは気がひけるが、恐れをなくして言わせてもらうとそこまで関係はないのではと思ったのが、正直なところだ。
というのも、読み放題で読む顧客は今までと別個のマーケットだと思ったからである。
詳しく説明しよう。
Kindle Unlimitedが開始されてからユーザーの側ではこのような声が飛び交っていた。
「無料だから普段は手にしない本を読んでみた」
ここにヒントがある。
どういうことかというとお金を払ってまで読みたいとは思わないけど、無料だから試しに読んでみた層。
これはその人が元々その本の読者ではなかったことを意味する。
そう、つまりはじめから購買に関して関心のない層が試しに読んでくれただけにすぎないのだ。
「でも試しに読んでくれたってことはもしかしたらいつかは読んでくれた見込み顧客だよね?だから、やっぱりマイナスなんじゃないの?」
という声が聞こえてきそうだが、おそらくそれもない。
興味があるが、買うほどではないと思っている層は余程のことがない限り、その本を新品で買うことはないだろう。
彼らが購買を行う時はその本が中古市場に出回り、価格がかなり低価格になった時だ。それ以外でこの層が手を出すことはない。
そして、新品で購入を行わないということはやはりどちらにせよ売り上げにあまり貢献はしないということになる。
よって、読み放題が始まったからといって売り上げが下がるということはあまり考えられないのではないかと思う。
だが、逆に売り上げ増加につながるきっかけを読み放題は与えてくれているのではないかと思っている。
購入意欲ゼロの市場に読み放題が加わることでまず読んでもらうきっかけが出来た。
ということはもしかするとそこから面白いと著者買いをしてくれたり、ファンになってくれる可能性が増えたということになる。
たとえそれが微量だとしてもゼロの市場に0.1でも0.01でも可能性を広げることが出来たのならば、それは大きなことではないだろうか。
元から関心のない層を捕まえるのは難しい。
それをこの仕組みを使えば自動的に集めることが出来ると考えれば、読み放題は著者にとってもプラスになるのではないかと私は思う。
良い面に注目してみれば良いことが見えてくるものだ。
本日の教訓
■悲観せずに良い面がないか探してみよう
仮にあなたが著者だとして、読み放題が始まると聞かされれば、すぐに悲観したことを想像してしまいたくなる。
冷静になることは難しいが、心が落ち着いてきたら何か良い面がないか探ってみよう。
きっと何か見つかるはずだ。
そしてそれをメッセージとして使い、ピンチをチャンスに変えよう。
役に立つはずだ。
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