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『手っ取り早く成長したいのなら、より多くの人の意見を受け入れれば良い』
「いえ、その考えはふさわしくないと思います」
これはあるチーフマネージャーNがよく口にするセリフだ。
Nはとても仕事ができ、リーダーシップもあり、強い信念を持ち合わせている。誰が見ても有能だと思わせるチーフマネージャーだ。
Nは、積極的に自分の意見を言い、その物怖じせず態度が尊敬と称賛を呼んでいた。
そのおかげでNは通常7年はかかると言われているチーフマネージャー昇進を、5年という短い期間で上り詰めることができたのである。
Nは自分を誇らしげに思っていた。
そんなある時、地方都市から新米マネージャーがやってきた。彼の名はJ。
一見すると目立ったカリスマ性はなく、見るからに普通といった様子のマネージャーだった。
Nは特に気にかける様子もなく、自己を磨くことに精を出していた。
するとその3年後。
Jはわずか3年でチーフへと昇進し、Nの地位にまで追いついた。
Nはその昇進スピードに驚いた。
自分でも5年はかかったのにたったの3年だなんて。
一体Jは何をしたのだろう?
もともと有能な人間だったのであろうか?
そうではない。
実はJは人よりも多くの意見をもらうことが出来ていた。
それは、Jが素直に意見を聞き入れ、そのことを喜んでいたからだった。
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みんなはJの喜ぶ姿が嬉しくて、たくさんの助け舟を出していた。
Jは時より反論することもあったが、そのほとんどの意見を受け入れ、参考にしていた。
その甲斐もあって、何倍ものスピードで学びを得たJはあっという間に昇進をものにしたのだ。
Nにはそのことが信じられなかった。
Nは人から意見をもらうことは敗北の証だと信じ込んでいた。だからこそ、Nはいつも助けを求めず、ひたすら自分の頭で考え、ここまでやってきたのだ。
しかし、Nはこの時、自らの行いが誤りであったことを悟った。
それはJがチーフという役職についてもなお、同僚や部下、上司からも分け隔てなく意見をもらっていたからだ。
Nも入社当初は数多くの意見をもらっていた。
しかし、どんどん昇進するにつれて、周りを寄せ付けないオーラを出し、今では誰からも意見をもらえなくなっていた。
これが一流のマネージャーなのか。
Nは素直に認め、心を改めようと決意し、実際に改めた。
その後、Nが順調に成績を伸ばしていったことは言うまでもないだろう。
本日の教訓
■意見をもらえる人になろう
自分の不足部分を言ってくれることほど、ありがたいことはない。それを「それは違う!」と突っぱねてしまう人は重要なことを見逃しかねない。
それを続けている間はいつまで経っても自分一人の気づき分しか得られず、一歩ずつしか進むことが出来ないのだ。
受け入れることが出来たら、何倍、何十倍も成長速度を速めることが出来る。