1. ゲームに学ぶ人生戦略
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博識、キャズム理論を少し理解する

『まずはじめに誰をターゲットにする?それは間違いなく「イノベーター」だ。勝ち抜くには彼らの力が欠かせない』

夢幻とともにゲームが大好きな博識剛はマーケティングを専門とするコンサルタント。
博識はゲームをやりながら、何かマーケティングで使えることはないかといつも情報入手に精を出していた。

博識がゲーム好きなのは楽しいからはもちろん、一つのゲームからでも様々なマーケティングについて学ぶことができるからだ。

今流行りのソーシャルゲームは四六時中ユーザー同士が語り合うため、リアルタイムで顧客の声が色濃く反映される。

この点に博識は注目していた。

今現在顧客が抱えている問題。
新イベントに関しての考察。
課金システムへの反応。

これらはすべてユーザー掲示板を見れば把握することができた。
博識はその掲示板を隅々までチェックしている。

ある時、大規模な課金イベントが開催されたときのこと。
そのイベントは課金をすればするほど、豪華アイテムがもらえるというものだった。

中にはそのイベントでしか手に入らない特別な強力アイテムもあった。
手に入れるには、重課金が強いられる。

それは無課金者がちょっとやそっと課金すれば手がとどくレベルではなく、文字通り重課金だった。

初めてのイベントだったため、ユーザーはどう反応するのだろうと、博識は掲示板を眺めていた。

文句を言うのだろうか?
やっていられないと辞めるユーザーが増えるのだろうか?
はたまた、皆やる気になって課金するのだろうか?

どう動くのだろう?とワクワクして掲示板を覗いていたら、博識の予期していないことが起こった。

イベントが告知された途端、あるユーザーが誰よりも早くも反応を見せていた。

「これは買いだな。リリースはまだか」

重課金アイテムが本当に強いものなのかまだ情報が不完全にも関わらず、もう手に入れることを宣言していた。

そして、宣言するだけでなく、これは絶対強いと周りにそれを言いふらしていた。

リリース当日。
ユーザーは解禁された情報に策を練り始めていた。

イベント終了までに間に合いそうなら買う。
今回のイベントは見送りだ。
強そうだけどもう少し様子を見よう。

ほとんどのユーザーが躊躇している中、先ほどのユーザーはリリースから5分としないうちにそのアイテムをすでに獲得していた。

そして、そのアイテムを実際に使ってみた感想。新たな戦略を余すことなく、掲示板に書き込んでいた。
それを見た数名のユーザーが、そのアイテムについて質問をし、意見を活発に出し合っていた。

その日の夜、なんと先ほどのユーザーはそのアイテムをその日のうちに最大レベルにまで引き上げていた。
そして、改めてそのアイテムが使えるものであるということを皆に言いふらしていた。

すると、先ほど質問をしていた数名のユーザーが、そこまで良いものだと確定したのなら、手に入れなければ。と先陣ユーザーに続くようにアイテムを獲得していった。

今度はそれを見た他のユーザーが上位ランカーがみんな取るなら。と、瞬く間に他のユーザーにまで影響を及ぼしていたのだ。

それはまさにキャズム理論に出てくる市場が形成される動向そのものだった。※1

※1.キャズム理論

ハイテク業界において新製品・新技術を市場に浸透させていく際に見られる、初期市場からメインストリーム市場への移行を阻害する深い溝を「キャズム(Chasm)」と呼び、従来のイノベーター理論における「普及率16%の論理」を否定したマーケティング理論のこと。

消費者は「イノベーター」「アーリーアダプター」「アーリーマジョリティ」「レイトマジョリティ」「ラガード」の5つの分類される。このうちイノベーターとアーリーアダプターを合わせた層に普及した段階(普及率16%超)で、新技術や新流行は急激に拡がっていくとしており、そのためイノベーターとアーリーアダプターにいかにアピールするかが新製品普及のポイントであるとされてきた(「普及率16%の論理」)。

マーケティングis.jpより引用。

この発見に博識は喜び沸き立った。
博識はキャズム理論について学んでいたものの、自分の中に落とし込めているとは言えなかった。そのため、何か実例がないか探していた。

すると、目の前にリアルタイムで見ることが出来たのだ。
まず「イノベーター」と呼ばれる層が先行的に購入し、実用できる点を自分で発見し、人に言いまわる。

次に「アーリーアダプター」層が「イノベーター」に紹介されたことで購入を決定し、さらに実用的に使える点を見出す。

それらの情報、購入する中で最高のものだとわかれば「アーリーマジョリティー」が買い始める。
これら一連の流れを体験的に見ることができたのだ。

振り返ってみれば、その先行ユーザーは以前、現行キャラのパワーアップアイテムが今の2倍の確率で出る。というイベントを行った時には見向きもしていなかった。

それは先行ユーザーにとって真新しい要素ではなかったからだ。先行ユーザーはすでに初期リリースの段階でそれらをもう取り揃えていた。

だから、現行キャラのパワーアップには興味がなかったのだ。
しかし、今回の新たなイベント。限定アイテムという点には息をつく間もなく飛びついていた。

これが「イノベーター」の動きなのだ。
「イノベーター」は新しいものに飛びつく。

そして、市場でいち早くそれを広めようとする。
博識は思いがけないところでキャズム理論の実例を見ることができたのだ。

本日の教訓

■キャズム理論に沿った運営が必須

「イノベーター」は新たなものに反応をするが、現行にあるものには興味も示さない。彼らは新しいものが好きである。

一方の「レイトマジョリティー」は市場のトップになった企業の口コミや実績の安定した数字が出揃うまで、購入に走ることはない。

それぞれの顧客層は求めているものが違うのだから、それぞれにあった販売戦略を立てなくてはならない。

■イノベーターをまずは確保する

まずその中でもやらなくてはならないことは「イノベーター」層に満足してもらうサービスや商品の提供を行うことだ。

彼らは誰に頼まれたわけでもなく、手に入れたテクノロジーを人に言いまわる。

初期市場を席巻するには「イノベーター」の関心が必須である。

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