楽しく読めて好かれる、心を動かす物語

  1. 心の在り方
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冷たい対応を跳ね返す威勢の良さ

「もうあそこの人愛想が悪くて嫌ですよ!!」

今年営業部に異動となったKは嘆いていた。
Kは内気な性格であり、人付き合いは苦手な方である。

だからこそ、あまり人と話さなくていいよう、この会社にはSEとして入社していた。

しかし、社長であるWはKのそういうところが弱点だと感じていた。

どこか職場関係も希薄で社内でも孤立しがちだったのだ。
そのため、プロジェクトが円滑に回らないこともしばしばあった。

WはKにもっと職場でもコミュニケーションを取ってもらいたかったのだ。

Kの資質を見抜いたWはKにもうひとつ上のランクを目指してもらいたかった。

「社長、もう嫌ですよ!僕。今すぐSEに戻してください!」

興奮気味のKをなだめるようにWは口を開いた。

「まぁ、落ち着けって。SEの知識も兼ね備えた営業ができるのは君しかいないのだよ。

いったい何があったんだ?落ち着いてゆっくり訳を話してくれないか?」

Kは取引先と上手く関係が築けていないことを打ち明けた。その取引先は無愛想で冷たく、Kのことを小馬鹿にしたような態度をとる。

内気なKには耐え難い対応だった。
黙って話を聞いていたWはよくわかるといったように大きくうなづいてからこう語った。

「あぁ、そういう相手のことならよくわかる。私も営業をしていた時はそういう連中にひどく悩まされてな~。ひとつ、アドバイスを授けよう。

私がとある大手企業に訪問した時のことだ。その当時は会社もまだ設立したばかりだったし、無名でな。担当者から冷たくあしらわれていたものだよ。それが悔しくてな~。よく負けてたまるか!って自分に言い聞かせていたよ。どうせ通うんだったらせめて自分だけでも元気で明るくいよう。そう思ってな。

それで、その日からいつもと違うことをした。
相手の3倍元気よく接してみようと試みたのだ。

はじめは「なんだこいつ?」みたいな顔をされたが、それでも私はやめなかった。

来る日も3倍3倍と言い聞かせ、元気よく振舞った。相手は話などしたがらない様子だったが、御構い無しに話を振った。

もちろん、相手は煙たそうな顔をして、あからさまに嫌がっていた。
でも、私はやめなかった。

しかし、5回繰り返し行ったが、それでも担当者の対応は変わらず、冷たいままだった。

心を開いてくれないか。これでダメなら諦めた方がいいかもしれない。
そう思って6回目に訪問した時だ。

少し、ほんの少しだが、担当者の顔がほころんだのがわかった。

ここで諦めてはならないとその後も相手の3倍元気よく振舞った。
すると、7回目、8回目と訪問する回数が増えるたび、その担当者の対応がどんどん優しくなっていった。

そして、10回を超えたあたりからは向こうから世間話をしてくるまでになった。

その後は順調に関係を築いていき、取引額も増えていった。
それがKも知っての通り、今我が社が最も取引を行っているD社だ」

Kは驚きのあまり何も口を聞けずにいた。

D社とは取引額だけでなく、最も仲の良い会社であるからだ。

Wは続けた。

「大切なことはどんな時も相手の3倍元気よく振る舞うことだ。心も砕けそうな冷たい対応は本当にキツイ。だがな、それをバチーン!と跳ね返すくらい元気よく振る舞えばいいんだ。相手の対応は関係ない。

常にどんなものも元気よく跳ね返してしまうんだよ。

それを続けていれば、相手もKのことを見返して、態度を改めるさ。
たとえ改めなくても、落ち込むことはない。威勢の良い自分を誇ればいいんだ。

どうだKよ、諦める前にもう少し頑張ってみないか?」

Kは自信を取り戻し、自分の職務に戻って行った。

本日の教訓

■冷たい対応にはバチーンと跳ね返す元気を持とう

相手の3倍元気よく振舞っていれば、相手もこいつは明るくていいやつなのかもしれない。と思ってくれることもある。

冷たい対応にもうダメだと思ったら、この話を思い返してみよう。

ポイントはめげずに元気よく振る舞い続けること。

■教訓を教えるときはストーリーを語ろう

W社長はアドバイスを授ける時、自身のストーリーを語った。ただ、アドバイスだけ授けることも出来る。しかし、よりも具体的なストーリーを使ってアドバイスを授けることで、その効果は何倍にも広がる。

ストーリーを語ろう。

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