1. アトピー性皮膚炎のこと
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偏りのないデータや得られる成果が最も知りたいこと。アトピーに悩む人が最初に読むべき本を読んで感じたこと。

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医者ではない僕が医者に向かって、何を言ったところで信用されないだろう。アトピーが完治したわけでもない人がこのやり方がいいよ。と言ったとしても、信じてもらえないだろう。

文句があるなら、完治した後に言いな。そう言われても反論するつもりはまるでない。そのとおり。まだアトピーが完治したわけではなく、軽症に落ち着いてきた僕から言うには時期尚早もいいところだ。

自分が愚かなことを言おうとしていることは痛いくらいにわかっている。けど、自分が治ってから言うなんてあまりにも遅すぎて、そのせいで苦しむ人がいるとしたらとても耐えられない。と思って書くことにした。

反対意見を述べる人からしたら、僕の方がこんな記事を書くなんて耐えられない。という行為なのだろうけど。この戦いは平行線を辿りそうな気もするが、アトピーのことを知ってもらうには良い機会だと思う。

アトピーで悩む人に最初に読んでもらいたい本に感じる違和感

僕は先日、大塚篤司先生の著書『世界最高のエビデンスでやさしく伝える 最新医学で一番正しい アトピーの治し方』を読んだ。

初めにはっきりと伝えておこう。

僕は読む前から疑いを持っていた。それはこの方が脱ステロイド治療のことを真っ向から否定していたからだ。

簡単に自分のことを紹介すると、僕は生まれた時からアトピーを患い、34歳になる今もアトピー性皮膚炎だ。

大人になるにつれてアトピーは悪化していき、ステロイドのランクは徐々に上がっていった。この本に書いてある、プロアクティブ療法というステロイドをコントロールし、次第に弱くする方法。

大塚先生はこのやり方を推奨しているが、僕はステロイドランク4、5の薬を毎日塗らなくてはとてもではないが耐えられないほどのアトピーだった。

徐々に落とすどころか、キープ出来なくなった瞬間に悪化する。こんな日々を過ごしていた。独学でやってみたことはある。が、もちろん結果は散々であった。

やり方が良くなかったのかもしれない。

しかし、いくら医者にかかっていようとその大半は自己コントロールだ。薬をうまく使いましょう。と1ヶ月に1度の診察で言われたところでできやしないのが、ほとんどの人ではないだろうか。

というか正しい方法や薬の塗り方を24時間付きっきりで教えてくれない限りわかりっこない。痒くなるタイミングも悪化するタイミングも読めやしないのだから。

そんなわけで僕は標準治療と呼ばれるステロイドを塗る治療では良くなるどころか悪化し続けていた。

ステロイドは僕のことを治してはくれなかった。

32年間改善の余地がなかった僕に一筋の光が差し込んだのは、まさに「脱ステロイド」治療だった。

はじめの数ヶ月は本当に地獄を味わったが、その後は順調に回復の一途を辿っている。いまだに痒みはあるし、落屑もするが薬を全く塗らずに過ごせていることは奇跡に等しい。

だからこそ、脱ステロイドを否定する人の本は真っ向から疑っていた。それなら読まなければいい話。いつもならスルーして終わりにするが、この本は読んで感想を言わねばならぬと思っていた。

なぜならば、帯にこう書いてあるからだ。

『どうかこの本を最初に読んでください』

標準治療を推奨するのに、最初に読んでください?

ステロイドを塗る治療を行なってきて、治らず散々苦労した身からしたら、そんなことバカな話はありえない。

むしろ経験則としてアトピーが良くなってきた脱ステロイドを推奨するならわかるけど、苦しむ原因となった治療法に足を突っ込ませるの?

このような疑問が大いにあったため読まずにはいられなかった。

最初に読んでくださいはあながち間違いではない

読み始めてその点は強く思った。それは医者もいろんな人がいるし、正しいこと言ってるとは限らないからね。こんなこと言ってる人はおかしいから気をつけようね。

データがあるからといってそれが正しいデータであるか相関関係があるかわからないから気をつけてね。人ってこんなバイアスにかかるから信じ込みやすいんだよ。テレビに出てる人がすごいわけではないからね。

と、情報は鵜呑みにすべきではないこと。正しい情報を手に入れなくてはならないこと。情報は知らなければ、簡単に操作されてしまう危険があること。を伝えてくれているからだ。

情報に騙されないようにするためには、これらの知識が必要だ。根拠や証拠もないアトピービジネスに引っかかって巨額を払う、肌をボロボロにしてしまう。

そうならないためにどんな情報に触れたら良いかを教えてくれるのは初めに読むべき本で間違いない。

どのようなことがエビデンスレベルの低いことなのかも紹介してくれているので、わかりやすい。アトピーになる人の特徴や原因を挙げてくれているところも良い。

アトピーに良いとされていることや神話的に話されていることに科学的根拠があるかどうかを一例ずつ挙げている点もとてもわかりやすい。世の中いかに科学的根拠もなくとんでも療法が流行ビジネス化しているのかがわかるだろう。

根拠のないものに時間やお金を投資せずに済むのだから、間違いなくこの本は良い本である。

科学的根拠は正しいのかもしれないが、良いことしか書かれてないのではという疑問

しかし、やっぱり気になるのは第4章『最新医学で一番正しい治し方とステロイドのウソ・ホント』である。

ステロイドのデマやその影響で誤った脱ステロイドや民間療法に流れてしまうので注意が必要。という内容で進んでいく。全てエビデンスベースで話しているので、納得できる内容ばかりだ。

ステロイドの正しい塗り方や基本的なことを書いてくれているので、塗る際の注意事項もよくわかる。

だが、果たして全て本当なのだろうか?僕が気になった点は

・糖質制限は科学的根拠がない
・ステロイド依存は根拠がない
・脱ステロイドよりも標準治療

と伝えている点だ。

本当に脱ステロイド治療は効果がないのだろうか?

僕が通う藤澤皮膚科では、脱ステロイド治療を続けた結果、

「はじめは包帯ぐるぐる巻きにしていた患者さんが綺麗になって来なくなったよ!」

という話を何人もの看護師さんから聞いた。現場で治療をしている看護師さんが口を揃えていうのだから信憑性は高い。

また、それを裏付けるネットの評判もあるので、アトピービジネスをする皮膚科でないことは誰から見てもわかる。この経験則を根拠がないと片付けて終わらせて良いものなのだろうか。

また、ステロイドの良い側面を伝えているが、悪い側面を伝えなければ偏りがあるのではないか?

このあたりの疑問は最後まで読んでも解消されることはなかった。

科学的根拠はないかもしれないが、多くの方の経験則として、

・ステロイドが徐々に効かなくなる
・ステロイド、保湿依存症になる
・ステロイドのコントロールなどできない
・ステロイドを塗ると血中を通り、全身に行き渡る
・一度塗ると体から抜けるのに1ヶ月ほどかかる

という面が全く書かれていないのが非常に気になる。さらに言ってしまうと標準治療を行なって完治した。またはステロイドを塗らずに何ヶ月も過ごすことができるようになった。という成果が全く見えないことも気になる。

言葉をかなり粗く言ってしまうと、良い面しか伝えてないんじゃないの?と思ってしまう。

アトピーで苦しんだ人からすれば、本書に書かれていることの多くはやったことがある。もしくは知っていることではないだろうか。それでも治らずに苦しんでいるのが現状なのだろう。

医者にひどく言われたから脱ステに流れたわけではない。試した結果、自分の力で解決策を見つけただけだ。

ステロイドだけで治るなどということも、脱ステロイドをするだけで治るということもない。食事の改善、運動の改善、生活の改善。

根本的なところから体質の改善をしなければ、アトピーは治らないと思う。しかし、そのことも書かれていない。

ようは経験則が全く反映されていないのだ。

初めに読むべき本かもしれないが、すべてを鵜呑みにしてはいけない。

ステロイドがデマによって悪く広まっているというのであれば、科学的根拠とともに診察した人が完治した、ほぼ薬を塗らないで済むくらいに軽快した。一時的な症状で押さえ込むことができた。という経験則を元にしたデータも欲しかった。

偏りのないデータや得られる成果が知りたいのである

我々はどのような成果が得られたのかが知りたいのだ。

科学的根拠がないということを伝えるだけ伝えて、ステロイド治療は科学的根拠があると伝えるのには無理がある。よくよく読んでみると根拠らしいデータが全くないことにも注目してもらいたい。少し強引な持っていき方ではなかろうか。

科学的根拠というワードを使い、都合の良い方に洗脳しているように見えてしまう。それほどに良いことしか書いていない。

別に攻撃がしたいわけではない。

ただ次回もし続編を出してくれるのなら、ステロイド治療を行なって完治した方がどの程度いるのかをエビデンスとして見せてほしい。という要望だ。

成果があるのなら納得もいくだろう。

ちなみに標準治療を真っ向から否定しているわけでもない。

この治療でも治るというのであれば、それはどの人にとっても幸せなことだ。どうか偏らずに真に正しい情報が出ることを切に願う。

アトピーが世の中から無くなってほしいという願いはアトピー患者やその家族、関係している人からしたら誰もが望むことだろう。願うのは偏りのない正しい情報だ。

実際に脱ステをしている患者さんがこの本を読んで、かなり憤慨しているツイートをいくつも見た。プライバシーのために掲載は控えるがやはり感じているのは僕と同じことなのだろう。

そしてもう一つ。重版が決まったというのであえて伝えるが、大塚先生がリツイートしている人の属性。こちらに注目してもらいたい。

医者や薬剤師、ライター、マーケター。大絶賛する人たちのプロフィールやタイムラインを見るとアトピーのことなどほとんど書いてない。彼らに患者の何がわかるというのだろうか。苦しみをどの程度理解しているのだろうか。

初めに読むべき本かもしれないが、良くも悪くも編集されていることは知っておいてもらいたい。

ちなみに正しい知識を持ち合わせてない状態で脱ステロイドを行うことはおすすめしない。実を言うと僕は昔、脱ステロイドを独学で行って、見事に失敗した。

正しい情報がなければ失敗の確率も上がる。それこそ無駄に傷つき、疲弊してしまう。大塚先生の反対意見を述べる本を読んでから何を取り入れるべきかを判断しても遅くはないだろう。

脱ステをやるにあたって参考になる著書をいくつか紹介する。どうかまず最初に本を読んだら、次はこれらの本も読んでもらいたい。

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