楽しく読めて好かれる、心を動かす物語

  1. コミュニケーション・関係構築
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Aとだけは仲の良い商売人

『本気になって自分のことをさらけ出すから相手も心を開いて話をしてくれる。相手から好かれたければ、まず自分の話をしよう』

昔々、あるところに変わり者の商売人がいた。
彼は村人と仲良くしようとせず、1人村の外れで商売を営んでいた。

村の人々は商売人と仲の良い関係を築こうと足しげく通い続けた。
だが、商売人は誰とも心を打ち明けず、いつも仏頂面で村人を追い返していた。

そのうち村人からは「あいつは変わり者だ。誰とも仲良くしようとしない」と言われ、商売人は忌み嫌われるようになっていった。

村人は水や食料を仕入れるため、商売人の元を定期的に訪れていたが、それも仕方なく訪れるのみで、いつも険悪な雰囲気を漂わせていた。

「今日も商売人の元に行かなきゃならないのか。気が進まないなぁ。なんであの人はいつもあんな感じなんだろう。みんなとワイワイやってた方が楽しいのに」

村人の1人がブツブツと文句を言いながら、商売人の元へ向かった。
村人が店のすぐそばまで来ると商売人がある村人と話している姿が目に入った。

商売人はなんと笑顔で話していた。

「あれ?今、あの商売人笑っていなかったか?」

確認するように村人がさらに近づくと確かに商売人は笑って話していた。
商売人は村人が近づいてきたことを知ると急に仏頂面に戻り、いつもの愛想の悪い対応に戻ってしまった。

だが、村人にはそれはどうでもよかった。
それよりも今起きた出来事を話したくて興奮が抑えきれなかった。

村人は早足で村へ帰るなり、すぐに村の者へ言い回った。

「聞いてくれよ!あの商売人が笑っていたんだ!誰にも心を打ち明けることのないあの商売人がだ!」

村人たちは話を聞くなりこう尋ねた。

「いったい何が起こっていたんだい?」
目撃した村人はその場の状況を思い出しながらこう語った。

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「そういえば商売人が笑っていた時、村人Aがいたな。村人Aと話をしている時すごく楽しそうだった」

村人たちはAのもとに駆け寄り、話を聞いた。

「商売人とどう上手くやっていっているんだい?」

村人Aは淡々と答えた。

「普段通りだよ。何も変わったことはしてない。ただ、会った時にまず自分の話をしているぐらいかな」

「自分の話?」

村人たちは聞き返した。

「そう、自分の話。昔はこんな人だったとか今自分はこんな悩みを持っている、近況はこんな感じです。そんな話をするんだ。

そうするとさ、商売人も「いや〜実はね、僕もこんな苦労をしてきてさ」と語り始めてくれるんだよ。
それを興味を持って、質問しながら聞き入っていたら段々といろんな話をしてくれるようになったんだ。
ただ、それだけ」

「それだけで商売人と打ち解けることができるのかね?第一やつはこちらの話なんて聞きゃしないじゃないか」

「僕もはじめ話した時はそうだった。でも、本音で自分を包み隠さずさらけ出していたら、少しずつ話してくれるようになったんだよ。
みんなはさ、商売人は嫌なやつだって嫌っているけど、打ち解けると良い人だよ?話すのが少し苦手なだけなんだ」

村人たちはAの言う通り、自分の話を商売人にし始めた。すると、1人また1人と商売人と打ち解ける村人が現れ始めた。

次第に村人たちと商売人は良好な関係を築いていけるようになった。

本日の教訓

■自分の話を積極的にしよう

人はあまり自分の話をしようとしない。話をしないから相手とはいつまでたっても仕事の関係から抜け出すことができない。すると、関係性はどこか表面上のものでしかなくなる。

自分の話をしよう。過去にどんな辛い経験があったのか、今どのような悩みを抱えているのか。包み隠さずさらけ出すことで、相手と良好な関係を築くことができる。

ただし、自分を良く見せようとしたり、たんなる自慢話にならないように注意が必要だ。

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