独り言という名のショートストーリー

死に寸な自己犠牲に人は心を動かされる

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【世の中の人は普通に飽きている】
「いらっしゃいませー、全品半額セール行ってまーす!」
街は賑わいを見せている。
どこもライバルとの争いに戦いは熾烈を極める。
賑わいをよそに通り行く人は静かだ。
ふらりと寄り付く人はいても、商品を手にとってもすぐに戻す。
赤字覚悟の頑張りは消費者の元には届いていないようだ。
もう少し街を歩いていくと、その店舗には顧客がごった返えすように集まり、賑わいを見せている。先ほどまでの店となんら変わりのない品揃えに見えるが、明らかに帯びている熱の量が違う。
その店舗はひときわ異彩を放っていた。
興味を惹かれ、購入する気などないのについ足を運ぶ。そしてその面白さに自分自身も楽しんで参加し、気づけば服を購入して満足そうに店を出て行っていた。
なんという魔術なのだろうか。
自分が店を出た後も顧客はひっきりなしに入り乱れ、皆楽しそうに。そして、パシャパシャとスマホでシャッターを切る。その画面をちらりと覗くと、店の中でSNSをやる者もいれば、店の外で嬉しそうにやる者もいる。
あっという間にお祭りは参加者全員のお祭りとなり、皆が一丸となって、その一部始終を楽しんでいた。
その影響はその場にとどまるだけでなく、後日SNSでたちまち話題に上がり、ネットニュースは片っ端からそれを取り上げた。
またしてもお祭り騒ぎとなり、 オンラインオフラインを巻き込む大きな祭りとなったのである。
それもそのはずだろう。
その店は定価1万円はする服をなんと全品たったの5円で販売していたのだ。
これで話題にならないわけがない。
欲しくないアイテムを無料で提供されるのとはわけが違う。本当に欲しいものを提供してしまっているのだから、人に言わずにはいられないのだ。
短期的にこの店を見たら赤字かもしれない。だが、広告効果で言えば、半額と銘打っていた店に比べるとその効果は何十倍もある。なんせ、横並びの市場から一気に何歩も抜き出すことが出来たのだから。
今日はNewsPicks×早稲田リンクス主催、
西野亮廣×箕輪厚介のイベントに参加してきた。
その中で西野さんはこう言っていた。
「面白いと思うところに人は集まる。みんなお祭りに参加したいんだ」
物を売る概念は大きく変わってきた。面白いと思う祭りで人を引き寄せ、ネタとして拡散してもらい、ファンを得る。
つまり、情報や物が溢れる現在では世の中の人は普通に飽き始めている。一昔前では、すごいと思われていた手法もここまで広がるともはや凄さなどない。
顧客は死ぬ気の自己犠牲が見たい。その行動に観客は心を動かされる。これからの時代、生半可な自己犠牲は通用しなくなってきた。
本当の意味での自己犠牲。本当にヤバい、後がない、死んでしまう。そんな自己犠牲を取れる人が世の中を上り詰めていく。そう感じた。
そして残念ながらそこまでリスクを取ってきても周りがやり始めれば人は飽きる。
ビジネスを継続させるためには常に人を驚かせるほどのリスクを取った行動が必要だ。

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