独り言という名のショートストーリー

心を動かすためには【ショート】

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【ストーリーを語る上でこれは欠かせない】

ある時、駐車場係の人に意外な教訓を教えてもらったことがある。

その人は被害者であり、そのことをストーリーとして語ってくれた。話はこうである。

その駐車場は二人体制で行なっており、AさんとBさんの二人で運用していた。駐車場は朝8時から開く。Aさんはそのことを忠実に守り、8時きっかりになってから開けた。

しかし、Bさんはというと朝混むのが嫌だという理由、待たせているのが悪いという理由から7時40分ほどでも待っている人がいたら解放してあげていたのだと言う。

Aさんはそのことを知らず、いつものように8時になってから駐車場を解放した。すると、先頭車両の男性がAさんに怒鳴り込んで来たのだ。

「おい!おめえじゃねえやつはさっさと開けるのにおめえは何をちんたらやってんだ!」

もちろん、Aさんに非はない。8時から開けるのがルールだからだ。そこでAさんはBさんを呼びつけこう怒鳴りつけた。

「Bさんよ、あんたが勝手にルールを破るからこんなことがあったんだぜ?8時っていったら8時に解放するんだよ!これじゃルールを守ってる俺が悪いやつみてえじゃねえか!」

Aさんはその時の状況を再現するかのように熱を帯びて私に話しかけてきた。

話をしている時の表情には怒りを感じる。

その後も勢いよくまくし立てて熱弁をふるっていた。そして、最後に教訓を授けた。

「ルールは守らなくてはいけない」

確かにその通り。だが、私はこの話を聞いて残念ながらいい話だな〜とは思えなかった。

ストーリーとしてはしっかりと構成をとれているし、話の教訓にも理解出来る。しかし、心が動かない。

このあと同様の話をいくつかされたのだが、正直聞くのがうんざりするほどだった。

なぜストーリーなのに、教訓も正しいのに心が動かされないだろうと考えていたのだが、あることに気がついた。

それは話し手の(主人公)への共感を感じられなかったことが要因に挙げられる。

私にはただ怒って文句を言っているだけにしか聞こえなかったのだ。だから、ストーリーになっていても心が動かされなかったのである。

心を動かすには、聞き手が話し手(主人公)に共感出来るようにストーリーを作っていかなくてはならない。

聞き手が自分の身に起こっているかのように感じさせる。これこそがストーリーには欠かさないのだと私はこの時、悟った。



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